栗東民報 2015年3月22日号


終結に向かう周辺市の同和事業・個人施策
       ~H27年度末で全廃

栗東市もようやく終結の意向

個人施策は 一般施策化・終結の方向で検討する

国による同和対策特別事業は、H14年3月末その根拠法(地域改善対策特別措置法)の失効により終結しました。本来なら、この時点で同和事業はすべて廃止するべきですが、「差別事象がなくならない」として継続的に取り組まれてきました。

しかし、近年同和に限定した事業を廃止する動きが広がってきました。草津・守山・野洲市では、同和地区に限定した個人施策が次々と廃止され、H27年度がその最終年度になっています。しかし、栗東市では終結の目途が示されていません(下表参照)。

3月12日、太田浩美議員は個人質問で、同和に関わる個人施策を速やかに廃止し、一般施策化するよう求めました。市は「一般施策への意向も含め、終結に向け検討する」との意向を示しました。
 



   
同和地区限定の個人施策  栗東市  草津市  守山市  野洲市
 固定資産税の減免 *市県民税課税標準額400万円を超える世帯
H24年度30%減、H25年度20%減
H26年度10%減、H27年度 減免なし
*市県民税課税標準額400万円以下世帯
H24年度40%減、H25年度40%減
H26年度35%減、H27年度30%減
 H24年度で廃止   H27年度で廃止   H26年度で廃止
 修就学奨励金給付  高校・大学・各種学校対象に奨励金と入学支度金を給付   H24年度で廃止  ☓(なし)   H24年度で廃止
 中小企業融資対策  融資に係る利子を補給。年間1%以内   H22年度で廃止   H23年度で廃止   H23年度で廃止
 技能取得訓練補助金交付  運転免許等の技能取得訓練受講補助金を交付4/5(一般1/2)、30万円を限度   H24年度で廃止   H23年度で廃止   H27年度で廃止
            湖南地域の自治体における同和地区限定の個人施策



福祉は削減しても 同和事業は聖域化

市は危機的財政を健全化するためのプランをH20年度から実施し、子どもや障がい者の医療費助成の削減、重度障がい者の通院補助の廃止、幼稚園・保育園・学童保育の保育料や水道料金等の公共料金の値上げ、中学校給食の廃止などをしてきました。その結果、栗東市の福祉水準は、県内自治体の中でもかなり低い水準になっています。

財政危機であるなら、同和事業においても改革のメスが入って当然です。しかし、周辺市で廃止されている同和地区限定の個人施策においても、ほとんど改革のメスが入っていません(上表参照)。本市の同和事業は、周辺市と比べれば充実しています。



同和事業の継続に 市民理解は得られない

財政危機と言いながら
  毎年1億6000万円を超える独自財源を投入
財政健全化の取り組みは、H20~26年度の7年間におよびます。H20~25年度における市民への負担増は42億1700万円にのぼります。さらにH26年度は約11億円の削減予算が編成されました。

この間に同和事業は一部縮減されましたが、財政健全化の間であっても、毎年1億6000万円を超える独自財源が投入されてきました。H27年度予算案では、前年度より約1200万円も増額され、1億8000万円を超える予算が投入されています。

福祉の削減には「財政健全化は、すべての分野を対象に実施している」「あらゆる分野を周辺市並みの水準にする」と説明し、福祉施策は強引に削減されてきました。

こういうやり方に対し、日本共産党は「市民が継続を望む福祉施策を削減・廃止するいっぽうで、根拠法廃止から12年間が経過し、周辺市も廃止する同和事業を、市独自で継続することに、市民の理解は得られない」として、同和事業の特別扱いをやめ、他の施策と同様に見直すよう求めてきました。
 

同和事業の一般施策化を

個人施策の廃止時期について、市は「H27年度中決定し、早い時期に明らかにしていきたい」と答えました。

個人施策以外に同和事業は、まだ多く存在します。日本共産党議員団は、国の根拠法が失効した時から、すべての同和事業について、速やかに廃止し一般施策化するよう求めてきました。

参加者が集まらない地区別懇談会等もやめ、同和を特別扱いするのではなく、人権問題の一環として取り組むべきです。






栗東民報 2015年3月22日号
日本共産党栗東市委員会発行

 市委員長 國松清太郎
 市会議員 伊吹みちえ
 市会議員 大西時子
 市会議員 太田浩美