栗東民報 2014年5月4日号


法的根拠のない同和事業は速やかに終結を

国の根拠法は12年前に失効
 

周辺市の個人施策はH27年度にすべて終結

  栗東市fだけが終結時期未定
33年間も続いた政府による同和対策特別事業は、12年前の2002年3月末をもって、その根拠法(地域改善対策特別措置法)が失効し、終結しました。

にもかかわらず、県内では、いまだに「差別事象が存在する」として継続的に取り組まれている自治体もありますが、大津市や近江八幡市、日野町等、すでに終結している自治体もあります。

栗東市には、いまだに同和地域に限定したさまざまな事業が残されていますが、湖南地域の周辺自治体は終結の方向で動いています(下表参照)。

日本共産党議員団は、国の法が失効した時から同和対策事業は速やかに終結し、一般施策化するよう求めてきました。


 同和地区限定の事業  栗東市  草津市  守山市  野洲市
 固定資産税の減免  H24年度30%減、H25年度20%減、
 H26年度10%減
 H24年度で廃止  H27年度で廃止  H26年度で廃止
 修就学奨励資金給付  高校・大学・各種学校対象に奨励金と入学支度金を給付  H24年度で廃止  ☓(なし) H24年度で廃止
 中小企業融資対策  融資に係る利子を補給。年間1%以内  H24年度で廃止  H23年度で廃止 H23年度で廃止
 技能取得訓練補助金交付  運転免許等の技能取得訓練受講補助金を交付4/5(一般1/2)、30万円を限度  H24年度で廃止  H23年度で廃止 H27年度で廃止

『新・集中改革プラン』
 ~すべての分野で実施していると言うけれど

 市は財政が危機的状況であるとして、H24~26年度の3年間にわたる『新・集中改革プラン』を策定しました。

策定にあたり、市は「福祉水準を周辺市並みにした」「事業評価など全体的なバランスを考慮した」「すべての分野を対象に実施している」などと説明し、福祉医療費助成の削減、幼稚園・保育園・学童保育の保育料や水道料金等の公共料金の値上げ、中学校給食の廃止など、市民に多大な負担増を押し付けてきました。

周辺市では、固定資産税の減免や修就学奨励金制度などの同和事業に関わる個人施策は、H27年度末ですべて廃止されます。しかし、本市だけが廃止時期を明確に示していません(上表)。

福祉を削減する時は「あらゆる分野を周辺市並みの水準にする」と言いながら、“同和事業だけ特別扱い”は許されません。
 


福祉水準が低いにもかかわらず
  同和事業は充実

毎年1億6000万円を予算化
今年度は『新・集中改革プラン』の最終年度です。当初予算において5億7700万円の削減となっています。

『新・集中改革プラン』実施中の3年間、同和関連事業の一部縮減はありましたが、1億6000万円を超える独自予算が、毎年投入されています。同和事業への改革のメスはあまり入れられておらず、周辺市と比べれば充実していると言えます。

重度障がい者への通院助成や身障4級の福祉医療費助成の削減など、暮らしを支えるささやかな福祉施策を廃止された市民にとって、とても納得できるものではありません。

法的根拠のない同和対策事業は速やかに廃止し、自治体の本旨である市民福祉の向上に努めるべきです。



今年度の新規事業から

「不妊治療費」と「難聴児補聴器購入・修理」に助成制度

H26年度から、市は新たに「特定不妊治療費助成制度」と「軽度・中度難聴児補聴器購入・修理への助成制度」を実施しました。

これまで、不妊治療への助成は県制度だけでしたが、今年度から栗東市においても県制度に上乗せする形で実施されることとなりました。市は「本市にだけ上乗せがなかったため、周辺市に水準を合わせた」と説明しました。今年度は500万円が予算化されています。

難聴児への補聴器購入・修理への補助制度も県制度への上乗せという形で実施されます。かかった経費の2/3を県と市が補助するというものです。今年度は39万円が予算化されました。

 

税金のむだ使いを見直し
 福祉の向上を中心にすえた市政運営を

かつては高かった栗東市の福祉水準も、いまや県下でかなり低くなっています。この上に4月から消費税が8%に引き上げられ、市民生活はきびしさを増しています。

市民の暮らしを支えるのが、自治体の役割です。税金のむだ使いを見直し、福祉の向上を中心にすえた市政運営が求められます。







栗東民報 2014年5月4日号
日本共産党栗東市委員会発行

 市委員長 國松清太郎
 市会議員 大西時子
 市会議員 太田浩美