栗東民報 2014年1月19日号


2014年度
栗東市予算編成にあたっての要求書を提出

開発優先・企業優遇型の栗東市政
福祉・暮らし守ること最優先に転換を

市財政健全化を目的としてH20年度から実施されている『財プロ』『新・集中改革プラン』等において、H20~24年度の4年間で31億3000万円にものぼる負担増が、市民に押し付けられました。

しかし、その一方で返済期日が過ぎたたばこ業者への貸付金は当初の契約どおりに回収できていません。H22年に新しく誘致した企業(リチウムエナジージャパン)へは、H22~24年度で3億3000万円の奨励金を交付し、さらに今年度は2億5000万円交付するとしています。『後継プラン』には総額57億円にのぼる税金を投入するなど、開発事業や企業への優遇措置に、改革のメスは全く入れられていません。

栗東市のH26年度予算編成方針によると、台風18号の被害復旧への対応もある中で、市民向けには引き続き『新・集中改革プラン』による緊縮予算としながら市長のトップセールスによる企業誘致や『後継プラン』は積極的に進めるとなっています。

 4月からの消費税率の引き上げは、市民生活や地域経済に大きな影響を与えることが予想されます。地方自治体の本旨は市民福祉の増進です。これまで以上に、この本旨に重点を置いた市政運営が求められます。

1月15日、日本共産党栗東市委員会と市会議員団は、来年度における栗東市の予算編成に対し56項目にわたる要求書を提出しました。

 


予算要求の主な内容(要旨を抜粋)

1、財政健全化のために
・奨励金交付による企業誘致事業において、短期間で企業が撤退し交付金が返還されないケースが全国的に相次いでいます。本市における企業誘致への奨励金措置も、危機的な市の財政をさらに圧迫する要因です。企業への奨励金の交付制度は廃止されたい。

・㈱TSRと㈱CSRへの貸付金未回収問題で、『認諾』から1年9か月が経過しています。市は「返済猶予は認めない」とのことですが、9億円の貸付金の回収がまったく進んでいません。早期に回収し、市民福祉の向上に有効活用されたい。

・同和地域における固定資産税の減免や就修学奨励資金給付等の個人施策をただちに廃止されたい。周辺市の状況は、個人施策はH27年度にはほぼ廃止されます。本市だけが、廃止の方向性が示されていません。同和対策事業や同和教育は廃止を基本に、人権問題のひとつとして一般施策の中で取り組まれたい。

2、医療・福祉の充実のために
・本市の国民健康保険税は県内で一番高い額になっています。国保税だけで所得の13~18%を占め、暮らしを圧迫する要因になっています。さらに4月からの消費税増税で、厳しさを増すことが予想されます。ただちに、払える税額に引き下げられたい。

・高齢者へのインフルエンザ予防接種の自己負担2000円は、周辺市(草津市・守山市1000円、野洲市1300円)比較でも高すぎるとの声が強く寄せられています。負担軽減を求めます。

・就学前の医療費に自己負担があるのは本市だけです。いまや「中学校卒業まで無料」が世間並となりつつあります。せめて就学前の医療費は無料にされたい。

3、子育て支援・教育環境の充実のために
・保育園の待機児童の解消は市長の選挙公約です。子どもの豊かな育ちを保障するために、これまで以上に正規保育士を増員し、待機児童を解消されたい。職員定数に余裕もあり、増員は可能です。

・中学校給食がないのは、県内で草津・守山・大津・栗東の4市だけです。H30年度オープン予定の学校給食センターの新設にあたり、中学校給食を実施されたい。保育園・幼稚園・学校給食の食材に、地元農産物の利用を促進されたい。

・暑さ対策として、保育園・幼稚園・小学校へのエアコンを早期に設置されたい。中学校には、H26年度に設置されます。引き続き小学校への設置計画を明らかにされたい。

4、地域経済の活性化と安全・安心のまちづくりのために
・5年後に減反政策が廃止されようとしていますが、これはTPP交渉を前提とする対応で、国の食料自給率低下につながります。食料自給率向上のため主要農産物の価格保証と所得補償の充実を、国に求められたい。

・H22年7月からコミセン、文化・体育施設など、公共施設の利用料減免制度が大幅に削減され、市民活動団体にとって、多大な負担増となり、活動の存続が深刻化しています。営利を伴わない市民団体の利用料減免制度を以前のように充実されたい。

・台風18号による被害からの復旧工事については、住民の安心安全を最優先に、災害復旧計画にもとづき速やかに実施されたい

・市のエネルギー政策として、太陽光や水力などを利用した再生可能エネルギーの活用に積極的に取り組まれたい。

・JR栗東駅の西口とホームにエレベーターを設置し、バリアフリー化されたい。

安倍政権は、雇用・医療・介護・農業などの規制を撤廃し、6月に新たな「成長戦略」をつくる構えです。雇用と権利・いのちと健康・食の安全などを守る制度を、「大企業のもうけを邪魔する岩盤規制」と決めつけ、取り払うことは、大企業優遇・国民を置き去りにする政治の最たるものです。

こうした規制撤廃は、経済の成長にも逆行します。派遣労働の無制限拡大、解雇自由化などの雇用破壊は、不安定雇用と長時間労働をひどくする「賃下げ政策」です。

景気回復にもっとも必要なのは「賃上げ」です。安倍政権の経済政策「アベノミクス」は、国民の暮らしや経済を土台から掘り崩す「悪循環」にしかなり得ません。


就学前の医療費の無料化・中学校給食の実施
同和事業の廃止・旧中央公民館の用地整備などについても

要望内容は、日頃から寄せていただいているご要望ならびに増加傾向にある高齢者・障がい者(児)等に関わる施策の充実などを盛り込みました。とくに福祉施策については、周辺市との比較で不十分と認められる項目を周辺市並み引き上げ、充実するよう求めました。

台風18号関連で、今後の復旧工事は住民の安心安全を最優先に進めることや防災体制の強化を求めました。

周辺市では廃止される同和事業が、本市では継続となっています。これについても速やかに廃止し、一般施策化するよう求めました。
詳細についてはここをクリックしてください。

 





栗東民報 2014年1月19日号
日本共産党栗東市委員会発行

 市委員長 國松清太郎
 市会議員 大西時子
 市会議員 太田浩美