栗東民報 2013年4月14日号



深刻化する待機児童の問題
全国で認可保育園に申し込んでも満員で入れない待機児童の問題が深刻化しています。東京都や埼玉県などでは、親たちが集団で行政に異議申し立てを行い、マスコミも注目しました。

少子化なのに、なぜ待機児童が増えているのでしょうか。それは、働く人が増え、乳児期から入園する子どもが増えたからです。

栗東市でも、新年度早々から6名の待機児童が出ています。

 









栗東市での待機児童は

H24年度49名・H23年度89名・H22年度68名
栗東市でも待機児童は毎年発生しています。その主たる原因は慢性的な保育士不足です。

市は「保育士不足を改善し、待機児童を解消する」ことを目的として、H22年4月から大宝保育園を民営化しました。その理由は、市立保育園の保育士は市職員です。『新・集中改革プラン』等により毎年5名の職員削減をしており、市としては正保育士を増員できないため、臨時保育士に頼らざるを得ない状況です。不安定雇用の臨時保育士の確保は、困難を極めています。そこで、民営化すれば民間園で保育士を増やすことができ、待機児童は減るという考え方で、民営化に踏み切りました。

ところが、思うようには進まず、待機児童はH24年度49名、H23年度89名、H22年度68名となっており、全く改善されていません。民間保育園でも市立園と同様に、年度途中の保育士確保は困難とのことです。

H25年度も、年度当初から6名の待機児童が出ています。

 
 年齢  人数
 0歳児  0人
1歳児   5人
 2歳児  1人
 合計  6人

 栗東市における待機児童数
 (4月1日時点)

今年度当初 臨時保育士は14名不足

正保育士は3名不足 速やかな改善と増員を
市は「一般職員は削減しているが、正保育士は削減せず、その数を維持し、保育士確保に努力している」と説明しています。しかし、数年前から、正保育士の3名不足が続いています。

日本共産党議員団は、待機児童解消のために、3名不足を速やかに改善するとともに、正保育士の増員を何度も求めてきました。しかし、今年度の新採用は退職者の補充にとどまり、3名不足すら改善されませんでした。

その結果、年度当初から6名の待機児童を出し、臨時保育士14名が不足する事態となっています。


 


認可保育園が望まれる訳は

現行の児童福祉法第24条に、市町村は保護者から入所の申し込みがあった時は、子どもを保育園で保育しなければならない」とあります。この保育園は認可保育園のことです。

認可保育園は、子ども一人に対する面積や人員配置・施設の整備など、国が定めた最低基準を満たしている保育園のことです。社会的に位置づけられた保育園に入りたいと言う願いは、当然のことです。

乳児期からの入園希望が増え
 臨時保育士の確保に 年中苦慮

乳児期(0・1・2歳児)から入園したい子どもが増えています。たとえば、以前は幼児(4・5歳児)が50人いれば、20人程度が乳児期から保育園に通う子どもでした。しかし、今は50人が乳児期から入所して、そのまま幼児に上がっていきます。ですから、乳児の定員を幼児と同じにするとか、新しい保育室を増設するなどの改善が必要になっています。

 乳児期の子どもについては、1人の保育士が保育できる子どもの数が少ないため、待機児童を解消するためには、保育士の確保が欠かせません。

栗東市においても、乳児期からの入園希望が増えており、そのための臨時保育士の確保に年中苦慮しているのが実態です。

 
栗東民報 2013年4月14日号
日本共産党栗東市委員会発行

 市委員長 國松清太郎
 市会議員 大西とき子
 市会議員 太田ひろみ