栗東民報

栗東民報 2012年11月4日号

国の特措法による
 対策工事は決まったけれど

市民には工事の説明もなければ 意見を言う機会も与えられず

10月30日に開催された議会説明会において、現在RD処分場内で1次対策工事が行われていることについて報告がありました。

主たる対策工事は1次対策の後に行われる2次対策がですが、県は1次対策の掘削状況を見て、2次対策における掘削の深さを決めるとしていることから、注目すべき工事と言えます。

栗東市民の飲み水は、その7割を地下水に依存していることから、RD処分場からの地下水汚染は、市民のいのちと健康に関わる重要な問題であるとして、全市民を対象とした説明会の開催が求められていました。

しかし、工事の説明どころか意見を言う機会も与えられないままに決定され、粛々と進められています。





 




地下水汚染の原因物『VOC類』は
地中深くに埋め立てられたまま放置か
周辺自治会と県の間で協議が進められ、去る10月3日に協定が締結された2次対策の最大の問題点は、元従業員の証言でもあり、地下水汚染を引き起こしている原因物である『深いところに埋め立てられた数千本ものドラム缶の内容物』を撤去する内容になっていないことです。

高濃度の表層ガスが検出された木くず焼却炉周辺は、地下水汚染の原因物である揮発性有機化合物(VOC類)の本体が存在する可能性が極めて高い場所であるとして、住民団体からもこの場所を地下水層まで20〜30m深く掘削し、地中深くに浸透し、直接地下水を汚染している原因物を除去することを求める要望書が提出されています。

これに対し、県は12月末までに行われる1次対策において3〜5m掘削し、その状況を見て、ドラム缶の存在や土壌にVOC類と思われる物質が浸透している状況等が確認されれば、2次対策で深く掘るとしています。しかし、わずか3〜5mの掘削で、深部の地下水層までの汚染状況がわかるとは到底考えられません。



 


H17年12月。RD処分場西市道側。ダイオキシン、鉛、PCBなど多くの有害物が詰まったドラム缶が掘り出されました。元従業員の証言では、これと同じものが数千本ほど埋め立てられたと言われています。

木くず焼却炉周辺の 深部の掘削を
市民の願いは、地下水汚染の原因となっている有害物を取り除き、将来にわたって生活環境や飲み水の安心安全を守ることです。

太田浩美議員は「ドラム缶の中身であるVOC類が埋まっている最も疑わしい場所がわかっているのに、すぐに除去しようとしないのはおかしい」と指摘し、速やかに木くず焼却炉付近を深く掘るよう求めています。







裁判では『認諾』したと言うのに
 「返済計画が立てられない」との返事

なぜこれほど交渉が長引くのか
市は貸し付けた責任で速やかに回収を

貸付金5億円の返済期限が切れた鰍sSRに対し、市が全額返済を求めた裁判で、鰍sSRは市の言い分を全面的に認め『認諾』しました。その後、弁護士を通しての交渉で、鰍sSRは9月末までに返済計画を提出する約束になっていました。

ところが、市の説明によれば「提出された計画は計画と呼べる内容ではないため、相手に返却し再提出を求めた」とのことでした。3月26日の裁判終結から、事態は全く進展していないことが明らかになりました。




 

まともな貸付・契約と言えるのか

連帯保証人は本人と同居の家族
担保は貸付金のわずか1割

本来『認諾』したのであれば、速やかに返済計画を提出するべきものです。ところが、7ヶ月も待って、やっと出てきたものは「返済計画が立てられない旨の文書」だと言うではありませんか。

 9月議会の太田浩美議員の個人質問で、貸付けをする際の2名の連帯保証人が鰍sSRの代表者と同居の家族であったことや、担保が貸付金のわずか1割の定期預金であることなど、まともな契約ができていなかったことが明らかになっています。こうした市の甘い対応が、いまだに続いているのではないかと指摘せざるを得ません。

議会説明会において、太田浩美議員は、交渉を前に進めるためにも、市の担当弁護士を変えてはどうかと提案しましたが、市は「変えるつもりはない。課題を整理して交渉にあたる」と答えています。

しかし、次回いつ返済計画が出てくるのか、まともな内容なのか、はっきりした目途は立っていません。この先、貸付金をどの様に回収していくのか、市の責任が問われています。


 










栗東民報 2012年11月4日号
日本共産党栗東市委員会発行

 市委員長 國松清太郎
 市会議員 大西とき子
 市会議員 太田ひろみ