栗東民報

栗東民報 2012年7月29日号

県の対策工(案)は 有害物の封じ込め

RD処分場の対策工をめぐって、周辺自治会と県との協議が進められており、7月24日に行われた協議の場で、県から「RD最終処分場問題解決に向けた2次対策工事の実施にあたっての協定書(案)」が示され、話し合いはいよいよ大詰めとなっています。

 


高濃度の表層ガスが検出された
処分場中央部を深く掘削し 有害物の除去を
市民の願いは、地下水汚染の原因となっている有害物を取り除き、将来にわたって生活環境や飲み水の安心安全を守ることです。

元従業員が「数千本ものドラム缶を潰して20〜30m深いところに埋めた」と証言している処分場中央部からは、それを裏付けるかのように高濃度の表層ガスが検出されており、この深部は有害物が埋まっている可能性が極めて高く、この場所を深く掘ることが求められます。

しかし、県の対策工案は、処分場の周囲および中央部の上部(深さ3〜5m程度)を一部掘削するだけで、ほとんどの有害物が処分場内に残されたままになりかねません。

この様な対策工事に40〜70億円を使う計画となっており、これだけの税金を使うのであれば全量掘削ができるとの声も上がっています。
 





生活・農業・飲み水などへの影響
有害物がある限り 不安は払しょくされない
24日の協議の場で、処分場直近の経堂が池の水について、「県は安全だと言うが、農業用水として安心して使用できない」「経堂が池には、処分場の汚染水が入っている。基準と比較すれば高いものだが、雨水などで薄まっているだけである」などの意見が出ていました。

これに対し、市は「農業用水基準を上回っている項目も一部あるが、農業に不適切な水だとは言っていない」と答え、県は「安全かどうかは、データーを取って示す」としました。

しかし、住民から「数値で安全だと言われても、経堂が池の水で作った米は、農協で取ってもらえない。安心の保証がない」との意見も出されました。
処分場内にあるとわかっている有害物が残されている限り、住民の生活や農業、飲み水などへの不安は払しょくされません。

 





5年後の対策工の有効性の確認よりも
ただちに西市道側の汚染土壌の全量撤去を
協定書(案)には、対策工事の有効性の確認を行うことを目的とした県・周辺自治会・栗東市・学識者で構成する(仮称)RD最終処分場問題連絡協議会を設置することや、対策工事完了後5年を目途に対策工の有効性を確認し、有効でないと判断される場合は、必要な調査や追加対策を検討・実施するなどが盛り込まれています。

住民から、「追加対策の内容について処分場の全体掘削も視野に入れているのか」との質問や「有効性を見ている5年間、県は(対策を)何もしないのか。まだ、処分場に埋まっている廃棄物を放っておくのか」などの質問が出ていました。

県は、処分場を県有地化することで、住民の安心を担保したいと考えているようですが、処分場内に多くの有害物を残しながら、経過を見ていくだけでは、安心・安全は保障されません。

住民の安心・安全と言うのであれば、西市道側のドラム缶内容物で汚染された土壌など、少なくともこれまでの調査等で有害物と判明しているものは、直ちに除去すべきです。同様に高濃度の表層ガスが検出された処分場中央部も掘削するべきです。こうした住民の声に応えようともせず、積極的に掘削・除去しない県の態度は許せません。

ご意見をお寄せください。次世代に負の遺産を残すことのないよう皆さんと一緒にがんばります。

 




H17年12月。RD処分場西市道側。ダイオキシン、鉛、PCBなどの有害物がたくさん詰まったドラム缶が掘り出されました。これと同じものが数千本ほど埋め立てられたと言われています








栗東民報 2012年7月29日号
日本共産党栗東市委員会発行

 市委員長 國松清太郎
 市会議員 大西とき子
 市会議員 太田ひろみ