栗東民報

栗東民報 2012年7月8日号

市がたばこ業者4社に合計で19億円を10年間貸し付け、返済期日が過ぎても約束通り一括弁済されない問題で、その中の1社(鰍sSR)に対し、市は全額返済を求め提訴していました。その裁判結果が3月26日に出ており、内容は鰍sSRが市の主張を全面的に認める『認諾』というものでした。  

相手企業が貸付金の全額返済を認めていても
 一向に進展が見られない返済交渉

提訴から約1年が経過した3月26日、鰍sSRから市の請求内容を全面的に認めるとの意思表示がなされ裁判が終結しました。終結から約3か月が過ぎた6月議会終了後に行われた議会説明会において、経過報告がありました。その報告によれば、裁判費用が確定したというだけで、肝心の貸付金の返済交渉は全くと言っていいほど、進んでいないことが判明しました。

また、今年度は鰍sSRの同系列会社である鰍bSRに貸した5億円の返済期限を迎えます(1回目:H24年6月19日、3億円、2回目:H25年3月31日)。ところが、1回目の返済期限が過ぎたにもかかわらず鰍bSRからも返済がないことも明らかになりました。
 

弁護士まかせで具体策なし
 全額回収に向け積極的な対応を

太田ひろみ議員は「鰍sSRに対し、速やかに一括弁済を求めると言いながら、なぜ進んでいないのか」と問いただしました。

市は、「市の顧問弁護士が頼りないのではないかと、環境建設常任委員会から指摘を受けた」などと言い訳をするだけで、返済を求める具体的手段や方法は何ら示すことができません。裁判に勝っても、返済がなければ、提訴した意味がありません。

太田ひろみ議員は、弁護士まかせにするのではなく、市も積極的に関わって、相手企業に全額返済させるべきだと迫りました。

 


『公正証書』の作成を怠った市の責任は重大

鰍bSRから返済がない問題で、市は返済猶予を求める通知が来ていることを明らかにしました。返済の意思があるものと考え、鰍sSRのように提訴するのではなく、返済に向けた折衝をするとしています。

貸付の際に交わした金銭消費貸借契約書に義務づけられた『*公正証書』を作成しておけば、今回のような最悪の事態は防げたと思われます。貸付から返済までに10年間もありながら、一件も作成していなかった市の責任は重いと指摘せざるを得ません。


*公正証書とは作成しておけばお金の返済がない時に、いつでもその人の財産(給与や預金、家財など)を差し押さえて換金することができます。


一括返済の約束はすべて反故
財政に空いた12億円の大穴 その責任は
市は財政難だと言いますが、この貸付金未回収問題は、市が自ら空けた大穴です。H20〜23年度(4年間)にかけての『財政再構築プログラム』や『新・集中改革プラン』の名で削減された額は21億5000万円、市民一人あたりにすれば33,000円にも上ります。

その一方で、返済期日を過ぎた3社への貸付金は合計で12億円ですが、当初の約束通り一括返済されたケースは1件もありません。約束どおり返済されていれば、『新・集中改革プラン』は必要なかったのではないかとの質問に、市も返済されれば、財政はよくなると答えています。

たばこ業者への貸付金未回収問題は、市民には何の責任もなく、全面的に市の責任です。市民に対する負担増は着実に進めながら、たばこ業者との返済交渉は悶々と進まないような対応は許せません。もっと主体性を発揮し、全額回収めざしてしっかり取り組むべきです。



通学路の危険箇所の調査・総点検
緊急対応と抜本的対策で安全確保を
4月23日に京都・亀岡市で集団登校中に自動車が突っ込む事故が発生したことを受け、国は全国の自治体に通学路を調査し、危険個所を総点検するよう通達を出しました。これを受け、本市でも通学路点検が行われ、87か所が危険箇所として報告されました。

そのうちの29か所について、市はパトライトの修繕や道路へのカラー表示、カーブミラーの取り換えなど、市独自でできる緊急的対応として8月中に実施すると説明しました。

通学路がより安全に通学できるように改善されることは、大変喜ばしいことです。しかし、これらはあくまでも緊急対応であり、なるべく早いうちに、横断歩道や信号機の設置、道路拡幅、歩道整備などの抜本的対策を進めていくことが求められます。また、今回の事故を機会に、交通安全に対する啓発活動を高めることも事故防止には重要です。

日本共産党議員団は、市民の皆さんから寄せられた要望実現へ、県との交渉も行いながら一歩一歩解決目指して取り組んでいます。
今年も5月10日に、道路や交通、地域防災、教育、RD問題など多岐わたって要請しました。ご意見をお寄せください。これからも皆さんと一緒に住みよい街づくりに取り組んでいきます。


 
5月10日の県との交渉








栗東民報 2012年7月8日号
日本共産党栗東市委員会発行

 市委員長 國松清太郎
 市会議員 大西とき子
 市会議員 太田ひろみ