栗東民報

栗東民報 2012年1月15日号

RD処分場問題

2次対策でも
地下水汚染は止まらない?!

深く掘って地下水汚染の原因物除去を

昨年11月に県と周辺自治会との間で1次対策工事にかかる協定が締結され、その後2次対策に向けての協議が行われています。1月10日に行われた県と周辺自治会との協議の場で、県が示した2次調査(案)に対し、住民から「県は有害物の広がりを調べると言いながら、本当に徹底的に調べて、きちっとした対策をする気があるのか」との声が上がっています。

これまでの調査等によって、地下水を汚染している有害物(VOC)の存在も、そのVOCが埋め立てられている場所もほぼ確定されているというのに、積極的に掘削・除去しようとする計画になっていません。このままでは、地下水汚染の原因物除去に至らない2次対策になりかねません。




 揮発性有害物(VOC)は発がん性あり
木くず焼却炉付近に存在する可能性が濃厚
地下水汚染の原因となっている有害物を除去するためには、表層ガス調査等で明らかになった高濃度の揮発性有害ガス(VOC)が検出された場所(木くず焼却炉付近)を深く掘り、粘土層を破って直接地下水層を汚染している有害物を探し出すことが求められます。しかし、県が示す追加ボーリング調査では、VOCの場所を突き止めることはできません。県には有害物を見つけにいく姿勢が見られないとの批判も寄せられています。

栗東市も、県にVOCの除去を要請していると言いますが、県の示す掘削の深さは5m程度で、地下水層まで掘る計画はありません。「数千本もの揮発性有害物入りのドラム缶を、10〜20m深いところに埋めた」との元従業員の証言があるにもかかわらず、5m程度の掘削で事足りるとする県の態度は許せません。

地下水汚染をくい止めるためには、木くず焼却炉付近の深部(10〜20m)に存在するVOCを速やかに掘削除去することです。

 

  県と周辺自治会との協議(2012.1.10)


守山市で実際にあった
VOCによる飲み水汚染

隣の守山市で12年前に四塩化炭素(VOCの一種)が地下水に流れ込み、水道水まで汚染された実例があります。

1989年、守山市で四塩化炭素による地下水汚染が確認されました。その5年後、市内の立入水源地において水道水の原水(浄化前の水)が汚染され始めました。対策を講じることなく放置していたため、年々汚染がひどくなり、とうとう2000年には水道水(浄化後の水)に基準値を超えての汚染が確認されました。その後、守山市は約5億円を投じ、四塩化炭素の浄水処理施設を設置し、対応を図りました。

VOCには発がん性があり、水に混じりやすく、ひとたび地下水を汚染すれば、広域に拡散しやすい物質です。守山市のように浄水場に汚染水が混じらないうちに一刻も早く除去することが求められます。

県が再三にわたって、「二次対策工事で、残った有害物を全て除去します」と説明したことから、一次対策工事で地下水汚染をくい止める効果がほとんど見受けられないことを承知の上で、周辺自治会の方々は同意をされました。




H24年度に実施される1次対策は有害物の除去には届かない

1次対策の掘削の深さは、処分場の表面5mだけで、深くに埋め立てられた有害物には届きません。(下図参照)



            「飲み水の会」の資料から抜粋









栗東民報 2012年1月15日号
日本共産党栗東市委員会発行

 市委員長 國松清太郎
 市会議員 大西とき子
 市会議員 太田ひろみ