栗東民報

栗東民報 2011年7月31日号

「有害物調査の徹底と速やかな対処を求める」請願書
  県議会が賛成多数で採択

RD処分場問題

市民の飲み水の約7割が地下水
一刻も早い地下水汚染の原因物除去を


7月19日、『RD処分場の有害物から飲み水を守る会』が県議会に提出した「RD処分場の違法投棄に関する有害物調査の徹底と速やかな対処を求める請願書」が、賛成多数で採択されました。

この請願書は、ドラム缶の中身が地下水を汚染する有害物であるとして、調査中であっても有害物が見つかった場合は速やかに掘り出すことや、今回目視で確認されたドラム缶は埋め立ての一部にすぎず、掘削による徹底した調査を実施し、埋め立ての全貌を明らかにした上で、有害物を除去するよう求めています。

これまで県は、掘削は調査段階では行なわず、対策工の中で実施するとしてきました。しかし、今回請願書が採択されたことで、県はこの請願の主旨を活かした調査や対策工を検討し、次の県議会(9月議会)に報告しなければなりません。今後の県の動きが注目されます。

周辺自治会との協議の場でも
 掘削調査を求める声が


6月29日・7月13日の2日に渡り、県と周辺自治会との協議の場がもたれ、県は調査結果や今後の対策工の進め方を説明しました。

その後の協議において、住民から「ガスが出ている場所の下には有害物がある。しかし、県が実施したボーリング調査では、それがはっきりわからない。やはり掘削調査をするべきである」「以前重機で2段掘りした穴にドラム缶が1000本程埋めてあった写真があった。掘削して確かめるべきだ」「電気探査や電磁探査、ボーリング調査等では埋め立て実態がつかめない。掘削をしてほしい」など、掘削調査を求める声が相次ぎました。

これに対し、県は「どこに埋めたかなどの情報は大いに提供してほしい」と答えましたが、残念ながら積極的に掘削調査をしようという姿勢は見受けられませんでした。

しかし、その後請願書が採択され、掘削調査を盛り込んだ対策が求められます。



周辺自治会と県との協議
7月13日

県の責任で速やかな有害物除去を


県の対策工に対する基本的な考え方は、ボーリング調査等による分析結果で除去すべきかどう判断すると説明しました。しかし、この方法では、除去すべき有害物はほとんどナシと判断されかねないとして、住民から強い反対の声が上がりました。

RD処分場では、これまで電気探査やボーリング調査などが幾度も行なわれてきました。ところが、これらの調査ではドラム缶の存在を確認することができませんでした。ところがその後の掘削調査で、有害性ナシと判断された場所から、高アルカリ性物質や放射性物質、169個ものドラム缶類が見つかり除去されています。こうした経験からも、県は掘削調査の計画を立て、速やかに有害物の除去を行なうべきです。

RD処分場は、安定型処分場として県の許認可を受け操業していました。埋めてよいものは、コンクリート・ガラスや陶器類・廃プラスチック・ゴムの4品目のみであることから、これら以外のものは全て除去すべきだと、住民は県に迫りました。こうした安心安全の解決を求める声に、県はもっと真剣に向き合うべきです。





真っ黒でどろどろの水が出た

手原農業用井戸 8月1日に地下水調査
栗東市は、RD処分場からの地下水汚染の広がりを見るため、毎年一回下流域にある8箇所の井戸から地下水を汲み上げ、水質調査をしています。

昨年8月、処分場から約2km下流の手原農業用井戸から「開栓時、これまでにない油の混じった様な異臭とともに黒いどろっとしたものが出てきた」として、地元住民から不安の声が出ていました。市は3月の再調査で「黒い物質の約8割が硫化鉄であった」と報告しました。

しかし、なぜ突然硫化鉄が増えたのか、増えた原因が処分場からの汚染と関係あるのかどうか等の点については明らかにされていません。

手原農業井戸の地下水のくみ上げが、8月1日午後14時半ごろに実施されます。飲み水への影響を確認する上で重要な調査であり、この汲み上げには立合うとともに、しっかりとした水質調査を求めていきます。









栗東民報 2011年7月31日号
日本共産党栗東市委員会発行

 市委員長 國松清太郎
 市会議員 大西とき子
 市会議員 太田ひろみ